ムサシがシャワーを浴びてベッドに戻るとヒル魔はすでに穏やかな寝息を立てていた。
たたき起こしてシャワーを浴びさせるのも忍びなくてムサシは頭を掻きながら考える。
きっとこの分では何をやっても起きないに決まっている。
それほどに疲れさせるようなことをした自覚もあったから、ムサシは浴室へと戻り、熱い湯を入れた洗面器と何枚かのタオルを持ってきた。
熱い湯に浸したタオルを固く絞り、ヒル魔の首筋に当てる。
「んっ……ぁ…。」
反省と謝罪の意味をこめてヒル魔の身体を拭いて後始末をしておこうと思った。
本当にただそれだけだったはずなのに、少し身じろいで息を漏らすヒル魔の姿にムサシは奇妙な興奮を覚えた。
「ふぁ……ぁんん……」
ムサシは丁寧に丁寧にヒル魔の肌を拭っていく。
そのたびにヒル魔の口から吐息が漏れ、ムサシの耳を楽しませる。
一通り首筋と両腕を拭って、今度はヒル魔自身がその腹や胸の上に吐き出した精を拭っていく。
「………ひゃ…ぁ……」
胸の突起にタオルが触れた瞬間、ヒル魔が小さく身を捩って嬌声を上げるから、ムサシは起きたのかと思ってその手を止めた。
しばらく見ていたが、ヒル魔が目覚める気配はなく、ムサシはまた作業を再開する。
「…ぁ……っん。」
ムサシが胸の先に触れるとそこはまた硬く尖ってきていて、まるでムサシに弄られるのを今か今かと待ちわびているようにさえ映る。
蛍光灯に反射して白く光る腹はその汚れを拭われるたびに波立たせてムサシを誘う。
「………っ……」
ムサシが臍孔にそっと舌を這わせるとヒル魔の腰がわずかにシーツから浮かび、吐息が一瞬途切れる。
そのまま臍をくすぐるように舌をねじ込んでいくと、ヒル魔の息はわずかに乱れてムサシの頭に力なく手が置かれる。
「……んっ…はぁ…」
こんなところでも感じるのかとムサシは新鮮な驚きを感じながら臍から離れた。
ムサシの髪を力なく掴んでいたヒル魔の手はまたシーツの上へと戻され、わずかに乱れた寝息もすぐに規則正しくその胸を上下させ始める。
一瞬ムサシは本気でこのまま自分を甘やかせて思うがままにヒル魔との行為に耽ろうかと考えてしまう。
しかし、このとき夢遊病者のようにシーツの上を彷徨うヒル魔の手がムサシに触れた。
その瞬間のヒル魔の満足そうな寝顔を見てしまったムサシは小さく舌打ちして、雑念を払いのけヒル魔の身体を手早く拭いていく。
「…んっ………ん」
途中何度か息を漏らすヒル魔に心を挫かれそうになりながらムサシは作業を続けた。
ムサシが汚した白い内股にも熱いタオルを当てていく。
「……ふ……んぁ…はぁ…」
ヒル魔の気持ち良さそうな吐息に耳を塞いでムサシはそこもなんとか拭き上げた。
ムサシは自分の我慢の限界を考えて、それで作業を終わらせた。
本当ならば、その奥の尻孔もきちんと拭き取ってムサシが中で出したものを始末しておいてやらなければ、ヒル魔が起きた時につらいだろうなとわかってはいる。
しかし、もうこれ以上ヒル魔の身体を弄ってその呼吸を乱したならば、きっと自分の歯止めが利かなくなることは明白だった。
「寝てても挑発しやがるなんてな。やっぱり怖い悪魔だよ、お前は。」
ムサシはヒル魔の無邪気な寝顔を見つめて苦笑する。
そしてその唇に触れるだけのキスをして、ヒル魔の横へと潜り込む。
途端にヒル魔はムサシの胸に顔をうずめるように擦り寄ってくるから、起こさないようにそっとその細い身体を包み込んで、ムサシも眠りの淵へと向かっていった。
終