いつまでもいつまでも、自分が帰ってくると言いつづける男が煩わしくて腹立たしい。
自分が立ちたくて立てなくて背中を向けたその場所にいるこの男が苛立たしい。
その全部を見透かしたような顔が気に入らなくて、見なくて済むようにしてやりたい。
今日も耳元で囁くその声がうっとおしくて黙らせたい。
ただそれだけ。
「…さっさと、終わらせッろ……」
殴りつけて押さえつけて無理やり犯す。
こんな時まで生意気な口調に吐き気がして、声が出ないくらいに乱暴に突いてやる。
快楽なんて与えてやらない。痛みに歪む顔を貼りつけたい。
そのお綺麗な顔に滲む脂汗と苦痛の表情が少しだけ心休ませる。
それでも顔は変わらない。
「どうせお前のことだから、何にもなかった事にするんだろう?」
クリスマスボウルの為だけに生きている男が不祥事なんて起こさない。
いっそアメフトごと壊してしまいたい。
手に入らないなら、なくなってしまえ。他の誰かが手にする前に。
「ったりまえだっ!!……糞ジジイ」
この後に及んでまだ、頭が痛くなるような事を言う。
この頭痛以上に苦痛を感じているはずなのに、本気で殺したくなる。
痛みが足りないのか?前に手をやってみると萎えたままの雄がある。
そのまま握りつぶしてしまおうか、握る手に力を入れる。
「っ……」
息をのんで耐える音が聞こえる。いつもこのくらい静かなら良いのに。
自分の感覚を辿ってみる。
単にきつい孔に捩じ込んでいるだけ。
傷つくのもかまわずにただかきまわす事に気持ち良くなんてなれない。
それでも終わらなければどうしようもないので無理やり搾り出す。
血と精液にまみれた自分の雄を見つめて気が遠くなる。
「その大切な指でもへし折りゃ、満足するのか?」
その一言に初めて顔が変わる。
本気でその手を踏み潰してしまおうか。
ああ、またあの目だ。その瞳を繰りぬいて捨ててしまいたい。
「いいかげん他をあたれ。」
疲れて一人扉をくぐる。
後に残ったあいつの事を考える余裕なんて今はない。
ひどく疲れる。
こんなになってもまた次に逢う時は同じ言葉が交わされる。
「さっさと戻って来い、ムサシ。クリスマスボウルに行くんだからな。」
その度にいつまでたっても諦められない自分に嫌気がさす。
その度に自分を待ちつづける男に期待してしまう。
いいかげん終わらせよう。
終わりが見えなくて途方にくれる。
わずかな希望に掻き乱される。
終