未知との遭遇

よく晴れた土曜日、畳の上に散らばる種類の明らかに違う正方形の薄い物体達にめまいを覚える。
振り向きざまに蹴りを一発食らわして、この物体の持ち主であろう男をたたき起こす。

「ゲフッ………っていきなり蹴りかよ…………しかも、股間………」
「うるさい。なんだ?このあからさまな物体はっ!人のこと呼び出しておいて朝っぱらからてめぇは何する気だ?」

不機嫌なヒル魔にムサシは、どうせ朝の一発なら違う一発が良かったと冗談を言う余裕もなさそうなのでとりあえず黙って起き上がる。
別にナニをしたくて呼んだのではない。というより呼んだことすら忘れていた。
何か用があったのかどうなのか、どちらにしろ大事な用事でない事は確かであった。

「べつに、せっかくの休みに一緒にいるのも悪くないだろうが?」
「っ……、ふん。言ってろ、糞っ。」

こういう時のあしらい方はだいぶん板についてきた。
それからの時間は何をするわけでもなく穏やかに過ぎていく。
喧嘩の原因となった物体がひっそりと息を潜めて出番を待っているとも知らずに。

「それで、何でこんなのがここにあるんだ?」

その日の夕方、会話の途切れた瞬間、何の気無しにヒル魔が地雷を踏む。

「あぁ、大工仲間がくれた。お年頃の俺にプレゼントだとよ。」
「お年頃って顔か?」
「うるさい。でも、まぁ確かに使った事は無かったな。今まで生でしか………って蹴るなよ。」

ムサシの下世話な言葉に顔を赤くしたヒル魔が無言で蹴りを入れてくる。
そんなヒル魔を見ていると、お年頃相応にムラついてくるのをムサシだけのせいにしておいて良いものかどうか。

「これ、使って見るか?」
「この糞エロっ!!」
「どうせする事は一緒だろう?泊まっていくんだし。後始末は楽になるらしいぞ。
「………………好きにしろッ!!」

怒りながらも嫌とは言わないヒル魔に、顔がニヤつくムサシであった。
事を起こすとなると早いに越した事は無い。
正直ヒル魔も男の子、コンドームというものを使って見たい好奇心には逆らう理由もなく、早速ヒル魔を脱がせにかかるムサシにたいした抵抗もせず従うヒル魔であった。

「じゃあヒル魔、お前はこれな。」
「はっ?俺も着けるのか?何で?」
「着けてないような薄さってのが気にならないか?これ着けて俺が舐める。」
「この糞エロジジイ………っ!?」

ムサシはヒル魔の陰茎を手に取り軽く擦りだす。
すぐに返ってくる反応に、思わずそのまま行為を続けたくなったが寸での所で堪える。
手元に置いてあったコンドームを手に取り、口を使って片手で破り開ける。

「えーと、先に空気が入らないようにつまみながらっと………」
「………んッ……」
「よし、出来た。どんな感じだ?」
「………ハッ……ァッ…な、んか締めつけて変な感じ……ッ……」

おもむろにムサシがヒル魔の陰茎を口に含むが、いつものような快感は得られない。
そのもどかしさに思わず腰を揺らめかせては恥じたように息を詰める。
そんなヒル魔の姿に興奮を覚えるムサシであった。

「や……っぱ、無理っ………このままじゃ……イけなっい……」
「後ろ使うか?」
「…………このっ糞ジジイ………」

否定の言葉をヒル魔が出さないうちに、ムサシは後ろの準備へと取りかかる。
最初は固く閉ざした場所であっても、数え切れないくらいムサシに慣らされた記憶は身体に染み付き、緩やかにムサシを受け入れる準備を始める。

「っ!!何?何か違がっ!!んぁっ………」
「…………イボ付きコンドーム。どんな感じだ?」
「いやぁっ………気持ちっ…わるぅ……動くなぁっ……」

ヒル魔の懇願などお構いなしにムサシはどんどんと奥へと押し入れていく。
やはりムサシの方もヒル魔と同様にいつものような快楽は感じられず、そのイラツキも手伝って少し性急に事を運んでしまいそうになる。

「ん〜、やっぱり生に比べると落ちるな。なぁヒル魔、動いても良いか?」
「………か…ってに、しろっ!!……ひぅっ……あっ!!んんっ!!!」

ヒルマの返事が終わるか終わらないうちに腰を動かしだすムサシであった。

「……っちょっ…むっさしぃ………動っ……早っ」
「ああっ?……っていわれっ、ても…こっちはいつもより感じが鈍いからっ仕方ないだろ……」

確かにムサシのほうはいつもよりゴムが厚い分だけ鈍いかもしれないが、ヒル魔のほうはどちらかというと、イボのついている分だけ余計にいつもより刺激が強く、あまり激しく動かれるととても持ちそうになかった。

「……うっくぅ!!……もっ……いっくぅ……ふっ……んん!!」

ヒル魔はムサシの激しい動きと無数にあるイボの刺激に耐えきれず、コンドームの中に精を吐き出した。
いつものような開放感は感じられたのだが、その後もまとわりつくような自分の精液とそれを閉じ込めるコンドームの感触に気持悪さを感じてしまう。
しかもムサシのほうはまだ終われないらしく、その動きが緩む気配はみられない。

「こっの、遅漏っ!!……さっさと終わらせっろぅ……っはぁ……」
「っ!?しょうがないだろうがっ!!」
「………糞っ………」

ムサシの動きは止まず、その感触がまたヒル魔を追いたてる。
閉じ込められた陰茎の気持ち悪さと、後ろからじわじわと浸蝕してくる快感に戸惑いながらヒル魔は一秒でも早くムサシの終りを願うのだった。


「……………もう絶対着けてしたりしねぇからなっ!!この糞遅漏っ!!」
「っ!?誰が遅漏だっ!!あれは仕方ないだろう。だったらもっとしっかり孔を閉めてみろ!!」
「ふざけんなっ!!元はといえばテメェがくだらん物貰ってくるのが悪いっ!!」
「ヒル魔だって乗ってきたただろうがっ!!」
「うるさーいっ!!さっさと残りを捨てやがれっ!!」

事が済んでしまえばさっきまでのヒル魔の可愛らしさもムサシの必死さも消え、お互いに言いたい放題言い合える仲に戻る。
そして2人が飽きて寝つくまで同じ布団の中で小さな争いは続く。