びぃどろ 7

第12幕
『陵辱』

体内が熱く火照る理由を紅茶に仕込まれた薬のせいにしながら、異物に慣らされた身体を抱えてヒル魔は身体を震わせる。
泣き喚き縋り付くヒル魔の耳元で、ムサシはそっと囁いた。

「今すぐ取り出してほしいか?」
「...っく、......ぅ。」

ヒル魔は上手く答えることが出来ず、ただ首を縦に振る。
一刻も早く体内に埋め込まれた忌々しい石を取り出したい。
ヒル魔の思考はそれにのみ集中する。
それ故にヒル魔はムサシの口端に浮かぶ笑みを見過ごしてしまった。
何の前触れもなく、ムサシはヒル魔の両足を乱暴に割り開いた。

「ぅあ?......何してっ!!」

唐突に宝石の埋め込まれたヒル魔の入り口へ、指とは比べ物にならない塊が押し付けられる。
ヒル魔は本能的にムサシの肉体を押し返そうと抵抗するが、巧みに押さえつけられた身体は充分に動いてくれない。

「指でダメならもっとデカいのを突っ込んで掻き回すしかないだろ。」
「嫌だっ!!離れろっ...嫌っ...やぁぁぁっ...ひぐっ!?」

本気で嫌がり怯えるヒル魔に構わず、ムサシは腰を進めていく。
昨日から慣らされ解されていたとはいえ、所詮今までヒル魔の身体に進入してきた物は指や小石程度の大きさだった。
それとは比べ物にならない大きな異物が熱を持ってヒル魔の身体を割り開いていく。
最近ようやく覚えたばかりの快感は全て消し飛び、圧迫感と痛みの伴う恐怖がヒル魔を侵食していった。

「あっく......ぁ...はっ......」
「...思ったより、キツイな。」

ヒル魔に締め付けられ、ムサシはそのキツさに顔を歪めた。
それでもムサシは更に奥へと身体を進め、その度に涙がヒル魔の頬を伝う。
ヒル魔はもう無理だと叫びたいのに、咽喉が張り付いて声にならない。
先日からの淫行によって柔らかく熟れたヒル魔の後孔は、その口いっぱいにムサシを咥えさせられギリギリまで拡げられている。
ムサシが腰を揺する度に内臓が押し上げられ、皮膚は擦れ合ってヒル魔の身体を引きつらせる。

「ッあ...ぃ...った...ひっくぅ......」
「初めてなんだから、血が出て当然だな。」
「......っ?」

ムサシの口から出た言葉の意味がわからず、ヒル魔は不安げな眼差しでムサシを見上げた。
次の瞬間、ムサシは勢いよくヒル魔の中から自分自身をギリギリいっぱいまで引き抜いた。
内壁ごと持っていかれるような感覚にヒル魔は悲鳴をあげる。

「いあっ!!ひっ......ぐ、痛っぁ...んっく...」

ムサシは噛み殺される声を無視して腰を突き上げ始めた。
初めて犯されるヒル魔を気遣うそぶりも見せず、ムサシは自分勝手に腰を引いては打ち付ける。
その乱暴さにヒル魔の皮膚が簡単に裂け、痛みが熱さとなってヒル魔を苛む。
先ほどの言葉はいたわりなどではなく、この耐え難い感覚に対する覚悟を促していたのだと、痛みと熱に霞む頭でヒル魔はぼんやりと理解した。
引き連れるような摩擦は徐々に減り、替わりにヌチャクチャと湿った音がヒル魔の耳に届き始める。
いくら慣らされていたとはいえ、そこが本来あまり濡れるような場所ではないことを考えると、無理矢理拡げられた為の出血が潤滑液の代わりとなっていることは容易に想像できた。
更に不愉快なことに、ムサシが突き上げる度ヒル魔を苛み続けたアメジストが奥へと押し込まれていく。
排斥したくて仕方ない異物を更に深くヘ埋め込まれていく事に耐え切れず、ヒル魔は石を押し出そうと内壁を収縮させた。
しかしそれは同時にムサシを体内で抱きしめることになり、その感触に今自分が犯されている事を嫌でも自覚させられてしまう。

「だ…めっ……奥っ、入って…ヒアッ!」

滑りの良くなったムサシの突き上げは、ヒル魔の身体に新しい変化を与えた。
痛みに身を縮こませていたヒル魔の身体が小刻みに震え、時折びくりと跳ね上がる。
その様子に目ざとく気付いたムサシが笑いを押し殺してヒル魔の耳元へと言葉を落とす。

「もう痛いだけじゃないだろ?」
「ひっ……やぁ…ぁん」

下から強く身体を揺さぶられ、悲鳴以外の声がヒル魔の口から漏れる。
ムサシに指摘されなくてもヒル魔自身その変化を感じていた。
ただ痛いだけの行為であったなら、ヒル魔の心もいくらかは救われたかもしれない。
けれどもムサシの言うように、身体の奥からジワリと滲み広がる感覚は紛れも無い快楽だった。
抵抗し続ける心とは裏腹に、痛みと苦しさから逃げ出したくて身体は僅かな救いに縋る。
それはどうしようもない事で、けれどヒル魔にはどうしても受け入れられないことでもあった。
熱くなるばかりの身体を紅茶に仕込まれた薬のせいにして、ヒル魔は自分を保っていた。

「この、淫乱。」
「ッく...違っ!......てめっぇ...がっ...薬なんか、入れっ...ふぅ、ん」
「ありゃ嘘だ。」
「なっ...ひあっ!!」

ムサシの口から出た信じられない言葉にヒル魔は目を見張る。
気持ちの伴わない性行為のはずなのに、高ぶる身体を押さえきれないことへの免罪符でもあった薬の存在を完全に否定された瞬間だった。
今までの醜態が全てヒル魔個人の責任であるとでも言うかのようにムサシは笑いかけてくる。
そしてヒル魔の下腹部で立ち上がり滴を零す未熟な性器に手を伸ばし、摩擦を与えながら言葉を続けた。

「こんだけ突っ込まれて...しっかり硬くしてるのに、淫乱じゃなくて何なんだ?」
「やっ...ぁ、離っせ......ぅあっ...あっ......」

ムサシに握り込まれ扱かれる度にヒル魔の下肢は震え、柔らかくなった内壁はムサシを強く咥え込んだ。
その反応に気を良くしたムサシが緩めていた腰の動きを元に戻していく。

「...っくぁ......はっ...やっダメ...ひぃ...」
「もっと...締めろっ」
「いっやあっ!?」

ヒル魔が限界に近づき弾けようとした瞬間、ムサシは手中に収めたヒル魔の根元を強く押さえ込む。
解放を堰き止められた衝撃にヒル魔の身体は大きくのけぞり、ムサシを包み込んだ肉壁が収縮する。
それに合わせるかのようにムサシが深くヒル魔を突き上げ、際奥へと精を吐き出した。

「あっつぅ...あっ...ん」

ヒル魔は体内に初めて受けた他人の体液の熱さに息を詰まらせる。
しかし震える体は未だ熱を孕み、吐き出せない苦しさがすぐにヒル魔を襲う。
ムサシの手から逃げ出そうと身を捩ったヒル魔は、自分を犯すムサシが再びその硬度を取り戻していることに気付きうろたえる。

「テメッ...なっんで?」
「まさか一回で済むなんて思ってないだろうな?」
「もう無理ッ!!」
「石取り出したけりゃ、もう一回くらいはイかせて見せろ。」
「......ぁあっ...んぅ!」

ムサシはヒル魔の根元を押さえつけたまま、乱暴に腰を打ちつける。
その行為の中にはほんの少しの遠慮どころか気遣いすらない。
ムサシの物が引き抜かれ押し入れられるたびに、ヒル魔の体内から残滓が溢れ出した。
同時に体内に埋め込まれたアメジストも内壁を刺激しながら後退と前進を繰り返す。
一度いきそびれたヒル魔の身体は敏感さを増し、ムサシと石の両方に犯され喘ぎ続けていく。

「ひっく...ふっ...も、ぅあっん...助けっ...ぃやあん...」

ムサシに犯され続けたヒル魔の瞳から正気の光が薄れていった。
肉体は既に快楽に引きずられ、息も出来ずにムサシにしがみ付く。
けれどもムサシはそんなヒル魔の両腕を振りほどき、自由になった身体で好き勝手にヒル魔を貪った。
そうしてムサシはヒル魔の欲望を押さえつけたまま、満足げに2度目の射精をヒル魔の中に叩きつける。

「いっ...ひきゃぁっ!!」
「......っく!」

白い太腿が痙攣する様を目で楽しみながら、ムサシはヒル魔を犯す楔を引き抜いた。
散々拡げられた入り口は閉じ切れずに朱を滲ませた精液を零していく。
ムサシはその様子を眺め楽しみながら、力なく横たわるヒル魔の片足を抱えあげた。
抵抗しようにも身体に力の入らないヒル魔が悲鳴を上げる。

「ゃだっ...ぁ......もう嫌ぁ...」
「取り出すだけだ。」
「ひぃっん...んあっ...」

無造作に差し込まれたムサシの指に、ヒル魔の身体は跳ね上がる。
ムサシはそんなヒル魔に一瞥をくれると、ただ機械的にジュクジュクと熟れた内壁をかき回した。
ヒル魔の口からは途切れ途切れに嬌声がこぼれていく。
内壁をまさぐるムサシの指は乱暴で、けれども今のヒル魔にはその乱暴ささえも快感でしかなかった。
ヒル魔の体内は熱く痺れ、石を感じる感覚は薄くなっている。
それでも異物が徐々に引き出されていく感触は、まだ達せていないヒル魔を追い上げるには十分すぎるほどであった。

「ああっ、あっ...ひゃぁあっ!!」

ムサシは滑る指に顔を顰めながら、ようやくアメジストを捕まえズルリとヒル魔の体内から取り出す。
その刺激で痛いくらいに張り詰めていた未熟な性器は簡単に弾け、白濁した体液を吐き出してヒル魔が意識を手放した。
取り出し作業を終えたムサシは身体を起こし、ピクリとも動かなくなったヒル魔の枕元に汚れたアメジストを放り投げる。
穢され疲れきったヒル魔の頬にはいく筋もの涙跡が見て取れた。
白さの浮き上がるような両腿の間には、未だに吐き出しきれない残滓が溢れてシーツを濡らしていく。
そんなヒル魔の姿を眺めるムサシの表情は冷たく、精液と血で汚れた指をシーツに擦り付けた後、何の躊躇も無くオモチャに飽きた子供のようにヒル魔から離れた。