忠犬 -後編-

「………うぁっ……くっ…ぅ……」
「なにを痛そうな声出してるんだ?いつでもそのうち気持ち良くなるくせに。」

ムサシはそう囁くと、ヒル魔の尖った耳先に噛みつきながら、また両方の指で胸の突起を捻り潰す。
初めこそ色薄く小さかった胸の飾りは先ほどからのムサシの執拗な嗜虐に責め苛まれ、今では赤く腫れプックリと起ち上がっている。
ここまで形を変えさせてもムサシは満足しようとせずに何度も押しつぶしては引っ張っていく。
わざと爪を立てられこれ以上与えられる痛みに耐えきれなくなった身体は、熱く焼けるような苦しさの中に快楽と言う逃げ場を探し求めていく。
そうしてなんとか見つけた微かな快感にヒル魔の意識は集中していく。

「……ッ……はぁっ、あっ……んん……」
「ほら、な。」

一度見つけてしまった情欲は、今まで痛みとしか認識できなかった全ての行為を快感に変えてヒル魔を侵す。
その感覚は触れられてもいない下半身にまで及び、ヒル魔自身を勃ち上げるのに充分な刺激を与えた。
ヒル魔の変化に気がついたムサシは弄んでいた赤く腫れあがった突起から手を離し、ヒル魔の首筋を掴んで上半身だけを床に押しつける。

「痛……ってぇ………ひっ………ぐぅ……」
「鳴き声以外は上げるな、握り潰すぞ?」

いつのまにかムサシがヒル魔の太腿の間から手を差し込んで、淫茎と淫嚢を同時に握り締めつける。
ヒル魔の上半身は床に這いつくばり、痛みに震えるながら膝のみで尻を高く上げさせられていた。
その先についた犬の尾はヒル魔の震顫に呼応してフルフルと揺れている。
ムサシはそんなヒル魔の痴態をひとしきり目で楽しんだ後、低く囁いて手を離す。

「オレが良いというまでイクんじゃないぞ。」
「………っ!!………ふっ……うっく………」

ゆっくりとムサシは背後からヒル魔に覆い被さり、腹の下で震える尾をその根元に押しつけていく。

「うっ…あっ………くぅ……んんっ」

ヒル魔は自分の腹の中で球同士が押し込められてギチギチと鳴る音を聞く。
球はただ押し込められるだけでなく、その側面で内壁を押し上げ刺激を与え続ける。
その一部は常に最も触れて欲しくないしこりに当たり、ヒル魔の射精を促す。

「………ぐっ……っ!!」

唇を噛み締めヒル魔は切迫していく放出欲に堪えようとしてみたが、ムサシからのしつこい押し付けに負けて堪えきれずに精を吐き出す。

「相変わらず堪え性の無いやつだな。こんな好きモノの身体で誰を誑しこんだ?」
「そッ……な事、してなィ……っうあ!!」

ヒル魔の言葉が終わらないうちに、ムサシの指が尻尾を咥えたままの後孔に捩じ込まれる。

「………ひぁっ……あっ……あっ……」

ムサシの指はいつのまに掬ったのか、先ほどヒル魔が吐き出した精液を潤滑油代わりに入り口を広げていく。

「お前は犬だってなんべん言ったら覚えるんだ?さっきの罰もあるし、今日はこのまま突っ込むか。」
「ムサシっ!!やめッ…ひぃっ!!」

すでに先客のいる内壁に強引に侵入してくるムサシを止めることも出来ず、ヒル魔は凄まじい圧迫感にただ喘ぐしかできないでいた。

「なんだ、意外と入るもんだな。尻尾をずっと入れといたからか。」
「ひっ……く………ッ……」

大きく広げられた入り口を爪で引っ掻かれて、ヒル魔は身を震わせる。
ヒル魔はムサシにもうこのまま動かないで欲しいと心の底で願いながら、痛みにも似た圧迫感とそれ以上の内壁を抉る快楽に頭を混乱させる。

「………んぁ、っは……ひゃぁっ……あっ…あっ…」

そんなヒル魔の願いも虚しく、ムサシはゆっくりと腰を前後に揺らしだした。
ヒル魔の中は更に押し上げられた数珠とムサシの熱く固い肉棒が狭い体内で余す所無く犯されていく。

「んあっ…はっ……あっはぁ……ぁ…?……うあっあ!!」
「どうせっ、お前は自分で我慢できそうにないから……押さえといてやるよッ」
「やぁっ!!」

すでに勃起して震えるヒル魔の淫茎は、その根元をムサシに押さえつけられていた。
もう直に触られなくても内壁への律動だけで達する事の出来る状態を無理矢理押さえこまれて、その苦しさに涙が頬を伝う。
いかせてと懇願しようにも、そうすることで与えられる新たな罰が怖くて言葉が咽喉に貼りつく。

「……んひっ……うぁっ…あっ…はっぁあ……」
「たしかっ、出さなくてもいけるって聞いたことあるし、雌犬ってのも悪くないよな……」
「いっ……ぁあっ!?………ふぁッ……はっ……」

ヒル魔がまともな意識の時に聞いたなら、きっとあまりにもおぞましくて逃げ出してしまいそうな酷い言葉を耳元で呟きながら、ムサシはその動きを激しくしていく。
ヒル魔はもう思考の定まらない頭で、ただ与えられる強烈な快感に狂わされていく。
いつまでたっても終りのこない自分の身体に涙を流しながら涎を垂らす。
あと1歩の所で快感の波が押しとどめられ、その度に嗚咽と痙攣を繰り返す。
ヒル魔の意識はすでに白くもやが掛かり、身体は今だ達することのみを追い求めていた。
「っ……ふっ…あっ!あっ!!……やっ………くっ…は……ああっ……ふあっ!?」

どんどんと追い詰められてあと少しで駆け上がれると思った瞬間に体内に熱い迸りを感じて、その次には最下層まで叩き落されていく。
心地よい浮遊感と下腹部にわだかまる熱が引いていくのをおぼろげに感じながらヒル魔の記憶はそこで終りを告げた。


ムサシはヒル魔の体内に自分の欲望を注ぎこんで満足げに息をつく。
そうして意識を手放したヒル魔から抜け出したあと、意識の絶えた細い身体に残る欲望を口に含んで吸い上げる。
軽く身じろぎヒクつくその動きを目で楽しみながら次はどうやって苛めてやろうかとほくそえむ。
ヒル魔は仲間が増えていく度にムサシがどんなに気持ちを掻き乱されたかを、まだ充分には知らない。
だからヒル魔がどんなに自分を待ち望んでいたのかを知っているムサシはその気持ちを利用して復讐を続ける。
ヒル魔が忠実で従順な犬のように自分になついて離れられなくなるまで。



終わり