深夜に携帯電話の呼出し音が鳴り響く。
ヒル魔は面倒臭そうに着信相手を確認して、舌打ちしながらボタンを押した。
「テメェから電話なんて珍しいな、糞ジジイ」
「え、あれ?あの、キミさ、源ちゃんの友達だよね?」
「.........誰だ?」
「あの、源ちゃんの大工仲間なんだけど、ちょっとお願いがあって.........」
電話口の相手の声は、玉八とかいうムサシの幼なじみの声に良く似ていた。
ヒル魔が黙っていると、相手は勝手に話を始めた。
どうやらムサシが泥酔してしまったので親にばれないように迎えに来て欲しいという内容の頼み事だった。
「話はわかったが、何でこの携帯にかけた?」
「あぁ、源ちゃんがここにかけろって言ってたから」
「............チッ、糞ジジイが。後で覚えてやがれ」
ヒル魔は文句をいいながらも、場所を聞き出した。
迎えに行った先で待っていたのは案の定、玉八だった。
ムサシの幼なじみは確か新婚で、妊婦の待つ新居に酔っ払いを連れて帰れるわけもなく、ヒル魔の姿を見つけてホッとした様子だった。
「キミなら安心して源ちゃんを任せられるよ」
そう言って、人懐っこそうな笑顔を見せながらムサシを渡されるから、ヒル魔も言葉を返せず無言で受け取る。
「じゃあ、あとよろしく!!」
玉八はヒル魔にムサシを託した途端に家へと走り去って行った。
後に残されたヒル魔にムサシが寄り掛かる。
「............重てぇぞ、この糞酔っ払いがっ!」
「ぉお?どうした、ヒル魔。ひとりぼっちは淋しくなったか〜?」
「ざけんなっ!!この酔っ払い!!オラッさっさと歩きやがれっ」
足元の頼りないムサシを抱えながら、ヒル魔はなんとか大きな酒臭い男を自分の部屋に連れ帰った。
「あぁっ!糞っ!!マジ重てぇ...」
「ヒル魔〜」
「何だっ!?」
「お前がいい匂いさせてるから犯りたくなってきた」
「死ねっ!!」
ヒル魔はムサシの誘いに耳を貸そうともせずに、寝室へ連れていく。
「なぁ〜、ヒル魔〜、ベッドあるし、このまま犯ろうぜ」
「ぶっ殺すぞっ!?」
「ん〜、うりゃっ!?」
「わぁっ!?」
ヒル魔がムサシを投げ降ろす前に、ムサシはヒル魔を押し倒して組み敷いた。
「っ!?何しやがる!!糞酔っ払いがっ!」
「何ってナニだろ?」
ムサシが笑いながらヒル魔の唇を掠う。
「んうっ!?んっ、んんーんっ......はっぁ......離っれろ!!」
「イテテっ、何だよ。髪引っ張るな!!」
「はっ!馬鹿みたいに伸ばしてるからだよっ!!嫌なら前みたく刈り上げとけっ!!」
ヒル魔に無理矢理引きはがされて、ムサシは不機嫌そうに睨み付けてくる。
ヒル魔も負けじとムサシを睨み付けながら不敵に笑った。
「............、泣かせてやる」
「はぁ?っぅあ、そんなとこに手ぇ入れんなっ!!.........っ!?」
「いうこと聞かないお仕置き」
ムサシはヒル魔の股間に手を差し込み、馴れた手つきで弄り始める。
ヒル魔はそれを止めさせようとムサシの腕を掴みながら、厚い胸板を押し返そうとするが全て無駄な抵抗に終わってしまう。
「やめっ......んっ.........ぁっ...」
「......ヒル魔、気持ちいいか?」
「.........ぅるさっ......だ...まれ!」
「もう先っぽヌルついてるぞ。」
「っ!?」
ムサシがヒル魔の耳元へ唇を寄せて囁く。
「ンッ......ふ......ぁ、やめっ......爪、立てんなぁ...」
ムサシは指腹でヒル魔の剥き出しにされた陰茎の先をグリグリと押さえ付けながら、時々割れ目に爪を押し込んでくる。
そのたびに、痛みと同時に痺れるような甘い疼きがヒル魔の背筋を走っていく。
「んっあ......やっ......」
「やっぱりお前、いい匂いがするな。シャンプー変えたか?」
ムサシはヒル魔の香と声を楽しみながら、その耳に舌を差し込み、わざと音を立てて舐めていく。
「ほら、このままだと服着たままいっちまうぞ。いいのか?」
「............っこの酔っ払いが、覚えてろ!!」
ムサシに陰茎を握られたまま、ヒル魔は震える身体で服を脱ぎ始めた。
その間中、ムサシの指は動いていたので、時折ヒル魔は身体を縮こませて背筋に伝わる痺れをやりすごさなければならなかった。
「......おいっ!!その最悪な指......離っせ......下、脱げね.........っ!」
「ヒル魔が少し腰浮かしたら脱がせてやるよ」
「この変態っ......」
ヒル魔はムサシの言う通りに腰を浮かせようと努力してみる。
しかし、上からのしかかられている姿勢と、力の抜けかけた足ではうまくいくわけもなく、スボンと下着は膝の上で絡まりヒル魔を拘束する。
「ああ、もう面倒臭い!」
ムサシが痺れを切らしてヒル魔の身体から手を離し、一気に残りの衣服を剥ぎとる。
「ってぇ...、無茶すんなっ!!この糞ジジイ!!」
「大開脚でいい眺め」
「っ!!」
「なんだ?隠すなよ」
思わず無防備になっていた身体を値踏みされるように見つめられて、ヒル魔は羞恥に染まる。
「......もうやめだっ!とっと寝やがれっ!!」
「もちろん寝るぞ、お前と楽しくな。」
「くっ...完全に酔っ払いやがって......」
酔っ払っていて、まったく会話のかみ合わないムサシに対してヒル魔は歯噛みする。
その隙に、にじり寄るムサシにまたのしかかられて、ヒル魔は簡単に身体を預けてしまった。
「ヒル魔は俺とするの、嫌か?」
「うっ......」
「したくない?」
「うぅ.........」
酔っているのに、いつもと同じような声で囁くムサシをずるいとヒル魔は思う。
けれども、どうせこれだけ酔っているのなら、明日には覚えていないだろうというヒル魔の気の緩みが正直な気持ちを吐き出させてしまった。
「......テメェとでなきゃ、誰がするかっ!!こんなこと......」
「じゃぁいいか」
「......何が?......うあっ!?」
おもむろに、ムサシはヒル魔の下半身を持ち上げて両足を胸に深く折ってくる。
ヒル魔は自分でさえも見えないような場所に、ムサシの視線が突き刺さるのを感じた。
「わーっ!!何しやがる!!この糞酔っ払いがぁ!!」
「ほぐすものがないから、舐める」
「......は?......な...める?ふざけんなぁぁぁ!!」
あまりの言葉に、ヒル魔は真っ赤になって怒鳴るがムサシはどこ吹く風で、顔を後孔へと近づけてくる。
じたばたと自由の利きづらい足をばたつかせながら抵抗するヒル魔のまだ固い入り口に、ムサシがいきなり指をねじ込む。
「ひぐっ...いってぇ......」
「ほらみろ。だからほぐすんだろうが」
「......んぁっ...やめっ...んんっ」
ムサシは中途半端に指を飲み込んだままの入り口に舌を這わせていく。
「.........ふぅ........ぁ...」
すでにムサシに慣らされたヒル魔の身体は初めこそ固いものの、すぐに緩まり快楽を与える舌と指を受け入れ始める。
最初は半分くらいまでしか入れられなかったムサシの指も、唾液の助けを借りて根元まで沈みこむ。
ムサシはさらに奥まで唾液を染み渡らせようと、指を動かしながら孔に隙間を作り指を忍ばせていった。
「はぁっ...あっ...んふっ......」
ムサシの指はいつの間にか2本に増やされて、舌の侵入をさらに奥へと助ける。
部屋の中には、息を殺して耐えるヒル魔の喘ぎとムサシの舌の音だけが鳴り続けていた。